マリア・モンテッソーリ(写真)は、ローマ大学最初の女性医学博士です。
1896年にモンテッソーリは苦労の末に女性としてイタリアで初めて医学博士号を取得しました。ローマ大学卒業後、障害児の治療教育に携わり、実験心理学、教育学にも研究分野を広げました。その間、フランスの医師セガンの著書に出会い、その理論に従って治療教育を進め、大きな成果をあげました。
また、1904〜08年には、ローマ大学教育学部で教育人類学を講じました。
「障害児と取り組み始めた当初から、私が用いている方法は、障害のある子どもの教育だけにとくに限定されるものではない、と感じていました」と、マリアは書いていますが、やがて、障害児に用いた教育法を健常児にも適応する機会が訪れました。ローマ不動産協会が貧困層向けのアパートに保育施設を設けその監督・指導をマリアに任せたのです。その保育施設が『子どもの家』です。
『子どもの家』(現在ではモンテッソーリ教育を実践する幼児教育施設をいう)はこうして1907年1月に生まれました。 そこでの実践から生まれたのが「モンテッソーリ教育法」です。
マリアはその後、この教育法の普及と教師の養成に精力的に取り組み、多くの著作を残しました。晩年には、平和と子どもの生命の尊重を訴える運動を展開し、ノーベル平和賞の候補にもあげられました。 マリアは、ファシズムを逃れて移り住んだオランダで亡くなりました。
その墓碑銘には、「愛する全能の子らよ、人類と世界平和のために、私と力を合わせよう」というメッセージが記されています。
- 環境から自分で学ぶ
子どもは、環境からスポンジから水を吸うように吸収する学び方をします。 - 自分の生き方や能力を獲得するための大切な時期がある=敏感期
- 子どもは手を使いながら独り立ちする。
- 「ひとりでできた」は、子どもの喜びとなる。
- 一人ひとりの自立を助けることは、子どもが幸せになること、そして平和な社会を創ることにつながる。
- 「ひとりでしたい」「ひとりでできた」は、人間の「自立」への願いの表れ。それができるように、大人は手伝わなればなりません。
- 子ども達が豊かな心で幸せに生きていけるように自立の道へ導かなければなりません。
- 子どもは、生まれながらの発達のプログラムがあります。