キャラクターの持ち物

2021年3月9日

小学校前の子ども達は、この時期にしか存在しない特別な感受性を持って生きていることをお話ししたことがあると思います。
これは敏感期といって、子ども達の才能や生き方を決定づけるほどの重要な意味を持っています。
私たち大人も小さい時には、敏感期の時期があり、今の姿ができているのです。
どの国のどの子どもにも同じように現れます。
この敏感期には、運動、言語、秩序、感覚の洗練、イメージの取り込み、社会的行動、小さいものへの興味、数、味覚などがあり、子ども達は、今使うべき刺激を探しだし、ひたすらそれに取り組んでいこうとします。
ですから、この敏感期の事を知らないと、良かれと思ってしていることが、子どもの発達しようとするエネルギーを押さえつけたり、方向違いの事を押しつけたりすることになります。
その結果、その時期に伸びるはずの可能性をつぶしてしまい子どもの心までゆがめてしまうことがあります。(敏感期については、また別の機会に詳しく説明したいです)
今、保育園の子ども達は、イメージの取り込みの時期である敏感期まっただ中にいます。
この時期の子どもには、モンテッソーリ教育においては、実物を与えるという原則があります。
物の実像が分かっていないと例えば、花を見て、この花の中から親指姫が出てくるかもしれないとファンタジーの世界に入ってしまったりすると、その花をじっくり観察することで「この部分には、めしべがあって、それは、どんな形をしていてどうなっているんだろう」といった、その花についての科学的な探求心など、育つはずのものが育っていきません。
キャラクターは、様々な物がモチーフとなっています。
実際、パンが空を飛んだり、蝶ネクタイをしたねずみなどは、存在しません。
乳幼児期の子どもには、実際の体験を通した実物から情報を与えていくことが原則です。
早い時期からファンタジーやゲームなどのバーチャルの世界で生きている子どもは、物事を正確に判断していく力が弱くなり、現実と仮想の世界の区別が難しくなることが指摘されています。
保育園の子ども達も身の回りにキャラクターを特に好む子どもに限って落ち着かなかったり集中するのが難しかったりします。
キャラクターがかわいいと思うのは大人の刷り込まれたイメージです。
ですから、集中して落ち着いて考える子どもを育てていくためにもなるべく保育園の時代には、子どもからキャラクターのものを排除してあげて下さい。